最新メガネレンズ情報~HOYAポラテックは偏光レンズの革命
HOYAの最新偏光レンズで業界地図が塗り変わる!?
先月下旬、HOYAから新製品が出る話を聞き驚嘆してしまいました。
これまで多くの偏光レンズ・度付偏光レンズが出てきましたが、どれもこれも25年前に特許として出された「一発重合成型(偏光フィルムをレンズに挟み込む)」タイプでした。
ところが今回HOYAが出したものは、レンズ表面のコーティング技術で偏光膜を蒸着させるというものです。このレンズの話を聴いた瞬間からこの技術のすごさを悟り、10秒後には直近で何をしたらよいか、拡張技術的な可能性はどれだけあるかを思いつきました。
一般的には両者の違いに大きな差が無いように思われるかもしれませんが、直線偏光のフィルムを挟み込むレンズとコーティング偏光レンズの光学的な決定的な差は像質の違いが考えられます。それはMTF特性における空間周波数の低域成分(画像のボケの成分)の含有率の影響です。
「ポラテック」をFFT解析してみたら...
そこでHOYAから「ポラテック」をお借りして実験を開始しました。度無しの挟み込み偏光レンズとコーティング偏光レンズを用いてデジカメで同一画像を撮像し、その画像を高速フーリエ変換してパワースペクトルを調べてみました。オリジナルはモノクロ画像ですが、わかりやすくするために対数変換してから擬似カラーで色分けしました。
まだサンプルの個体数が少ないために数値的な結果が出せませんが、画像解析的には画面中央の低域成分の情報に明らかに差異が出ているようです。これは今後さらにサンプル数を増やして数値解析を行う予定です。
空間周波数の低域成分が抑えられているということは、旧偏光レンズよりも像質が改善されて度付レンズでの解像度が向上することが考えられます。レンズメーカーで使用しているPSFアナライザー(あまりに高価でメガネ店では持ちきれません...)による点像分布関数の解析により、この予測は補強されることでしょう。25年ぶりの快挙ではないですか...まさに偏光レンズの革命であり、技術の次元の違いを感じます。
ポラテックはHOYA製品の単焦点のみならず、更にコントラスト視力の良い両面累進設計の遠近両用レンズにも適用されているので安心して購入することが出来ます。これまでの度付偏光レンズでの像の甘さを気にしておられるユーザーに朗報と言えるでしょう。
他社との価格差がさほど無く、物理光学的に極めてグレードの高い偏光レンズ「ポラテック」をこの夏に是非おすすめいたします。
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