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目とメガネ

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2023年12月27日 (水)

深視力トレーニング・システム開発で3年連続受賞決定

●第3回田中恭一オプティカルアワードで3度目の受賞

このたび第1回、第2回と続き3年連続で受賞が決定しました。今回は過去2回の内容と異なり、次世代の深視力トレーニング・システム(Arduino制御)に関するものです。具体的な内容は来年1月の授賞式が終了してからまた述べることにしますので、続報にご期待ください。

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デジタル・ビジョンケア

J-EYEの研究開発に

ご期待ください!!

 

 

 

2023年2月15日 (水)

2年連続で田中恭一オプティカルアワード受賞

100年ぶりにメガネの概念を変える技術革新

第2回、田中恭一オプティカルアワード受賞から1ヶ月が経過してしまいました。

 

レンズメーターが発明されて100年ぐらい経過しているそうです。

 

メガネをレンズメーターに乗せてレンズの度数、乱視の度数と軸度、プリズム度数と基底方向、光学中心の測定ができますが、これはあくまで片眼のレンズ状態の測定であって両眼同時の測定ではありません。

 

問題の核心は正にこの片眼だけを測定する操作・行程にあります。つまり片眼レンズのプロパティは理解できても、あくまで片眼レンズの単独情報であって両眼に組み込まれた両眼レンズの物理的状態を必ずしも把握していません。

 

さらに述べると、レンズメーター上のメガネの光学中心間距離は網膜に投影される画像の光軸間距離と一致していると限らないのです。この問題を日常業務で偶然発見しました。

 

ある日のこと、当店で作ったメガネに大変満足された方が、そのメガネを他店に持ち込んで予備用にロープライス・メガネを「まったく同じ度数」で製作されたところ、物がだぶって見えてしまい無駄な出費をしてしまったと報告に来られました。

 

しかも当店に来る直前にそのロープライス・メガネを眼科に持ち込んで調べたところ「度数や瞳孔距離は問題ない」と言われてしまい、すかさず先生に「では、なぜダブって見づらいのでしょうか?」とたずねたら、「さあ、なぜでしょうかね...」と言われお手上げになったようです。

 

この事実を冷静に考察したところ、レンズメーターに設置する左右レンズはあくまで2次元平面上に設置しているためにレンズ後方の3次元的な光軸中心と瞳孔中心が一致しているとは限らないことが瞬時に閃きました。

 

正に100年ぶりにメガネの概念を書き換える瞬間に遭遇しました。

 

つまり片眼レンズを計測して2次元平面上の瞳孔距離を合わせるだけでは、現在流通している100%調整不可能な形状記憶樹脂素材フレームは左右の傾斜状態により左右レンズの光軸間距離が一致しないことが判明しました。普通のまともなメガネでも3D光軸キャリブレーションしなければ全く同じ原理が成立します。

 

調整したくても、軽くて変形しにくい樹脂素材のメガネは温めても変形しないので見づらいままということです。ですから眼科の処方箋で作ったとしても「顔に対して調整不可能なメガネ」では処方効果が期待できません。恐らく、そのちがいは国家資格の眼鏡作製技能士でなければ正確な説明は難しいでしょう。

 

見づらいメガネは単なる頭痛だけでは済みませんので、健康被害やその他の影響は恐ろしいです。

 

そこで両眼同時に左右レンズの光学中心間距離とレンズ後方の光軸間距離を測定する装置と測定方法を研究開発してオプティカルアワードにエントリーいたしました。昨年はこの研究と並行してメガネの国家資格の試験勉強しておりまして、連日深夜まで励んでおりました。おかげさまで国家試験も100点満点で合格し、2年連続で田中恭一オプティカルアワードを受賞できたことは生涯忘れることのできないものとなりました。

 

授賞式ではコンタクトレンズの歴史上の人物であり、尚も研究開発に励んでおられる田中恭一先生から直接賞状を手渡されたことは感激の一語に尽きます。

 

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当社の発明した技術は正にこの100年間、だれにも気づかれず、あまりにも見過ごされてきた点にスポットを当てたものです。


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世界初で世界唯一の3D光軸キャリブレーション・システムのブラシュアップを重ね、さらに機能を向上させる計画があります。今後も斬新なシステム研究開発に取り組みますので、当社の発表にご期待ください。

 

未来技術に挑戦する

デジタル・ビジョンケアショップ

J-EYE 武蔵小杉

 

2013年6月18日 (火)

最新メガネレンズ情報~HOYAポラテックは偏光レンズの革命

HOYAの最新偏光レンズで業界地図が塗り変わる!?

先月下旬、HOYAから新製品が出る話を聞き驚嘆してしまいました。

これまで多くの偏光レンズ・度付偏光レンズが出てきましたが、どれもこれも25年前に特許として出された「一発重合成型(偏光フィルムをレンズに挟み込む)」タイプでした。

ところが今回HOYAが出したものは、レンズ表面のコーティング技術で偏光膜を蒸着させるというものです。このレンズの話を聴いた瞬間からこの技術のすごさを悟り、10秒後には直近で何をしたらよいか、拡張技術的な可能性はどれだけあるかを思いつきました。

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一般的には両者の違いに大きな差が無いように思われるかもしれませんが、直線偏光のフィルムを挟み込むレンズとコーティング偏光レンズの光学的な決定的な差は像質の違いが考えられます。それはMTF特性における空間周波数の低域成分(画像のボケの成分)の含有率の影響です。

「ポラテック」をFFT解析してみたら...

そこでHOYAから「ポラテック」をお借りして実験を開始しました。度無しの挟み込み偏光レンズとコーティング偏光レンズを用いてデジカメで同一画像を撮像し、その画像を高速フーリエ変換してパワースペクトルを調べてみました。オリジナルはモノクロ画像ですが、わかりやすくするために対数変換してから擬似カラーで色分けしました。

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まだサンプルの個体数が少ないために数値的な結果が出せませんが、画像解析的には画面中央の低域成分の情報に明らかに差異が出ているようです。これは今後さらにサンプル数を増やして数値解析を行う予定です。

空間周波数の低域成分が抑えられているということは、旧偏光レンズよりも像質が改善されて度付レンズでの解像度が向上することが考えられます。レンズメーカーで使用しているPSFアナライザー(あまりに高価でメガネ店では持ちきれません...)による点像分布関数の解析により、この予測は補強されることでしょう。25年ぶりの快挙ではないですか...まさに偏光レンズの革命であり、技術の次元の違いを感じます。

ポラテックはHOYA製品の単焦点のみならず、更にコントラスト視力の良い両面累進設計の遠近両用レンズにも適用されているので安心して購入することが出来ます。これまでの度付偏光レンズでの像の甘さを気にしておられるユーザーに朗報と言えるでしょう。

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他社との価格差がさほど無く、物理光学的に極めてグレードの高い偏光レンズ「ポラテック」をこの夏に是非おすすめいたします。

日本初のIT系メガネショップ J-EYE

2013年2月19日 (火)

曇り止め機能の付いた花粉用メガネが大人気!

曇り止め機能の無い花粉用メガネはマスクが使えません!!

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花粉用メガネがこの世に出てすでに数十年が経過しています。
多くの企業の参入で改良が加えられて現在に至っており、『花粉の遮断率』なるものはすでに20世紀に解決されて複数サイズの花粉用メガネが製作されております。

21世紀になってからはもっと次元の高い内容が主流で、曇り止めレンズのハイテク技術が確立されてから『マスクをしても曇らない花粉用メガネ』が開発されて流通しています。しかし一部ではいまだにマスクを併用すると曇って前方が見えなくなる花粉用メガネも市場に出ていますので注意が必要です。非親水性樹脂レンズに塗る曇り止めスプレーの効果は1~2日程度ですので持続性が無く、手間がかかってとても面倒です。

当店でも数年前から取り扱う花粉用メガネはすべて手間のかからない『曇り止め機能のついたハイテク花粉用メガネ』になっております。

これからの季節は花粉のみならず、気がかりな2.5マイクロ粒子が飛散していることがマスコミで報道されています。さらに花粉量も昨年の5~6倍に増えることも予想されており、関連情報から目が離せません。

当店では『曇り止め機能のついた花粉用メガネ』の特集をしておりますので、ぜひともご覧ください。

ttp://www.j-eye.com/    「花粉用メガネ」をクリックしてください!

日本初のIT系メガネショップ J-EYE

2012年3月 2日 (金)

パソコン用メガネ最新情報~青色光減光のHOYA新レンズ発売

 HOYA社が青色光をコーティングで減光する最新レンズ「ヴィーナスガードコート ラピス」が発売されました。完全無色ではなく、淡い10%程度の黄色味を帯びたレンズです。

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 以前から販売されている「ヴィーナスガードコート」はシリーズの中で最もキズ付きにくく、さらに帯電防止機能によるホコリが付きにくい特徴を持っています。今回は両機能だけでなく今最も問題視されている「青色光」を吸収減光する機能が付きました。

 現在レンズメーカー数社から同様なレンズが販売されていますが、実際にそのレンズを見るとレンズの裏面反射が強いという欠点がありました。多くの消費者が市販されている一般レンズの表面反射率が片面で0.2%に慣れている状況にあっては、裏面反射率がこの数字よりもはるかに大きいようでは違和感を押さえられないものと思われます。

 今回のHOYA製品も同様にコーティングで青色光吸収を行うのでその部分が気になりましたが、裏面反射が実用に差し支えない程度に押さえ込んでいることを確認しまた。
 メーカー担当者が早速サンプルを持って来られたので当社のPasoMega®CCSシステムを使用して画面の見え具合(コントラスト強調効果)も調べてみました。その結果、10%程度イエロー系カラーの効果で一般の方が簡単に確認できる程度のコントラストが強くなることもわかりました。
 以前buiレンズが6%のイエロー系ということが解ったときに、なぜ10%にしないんだろうと思っていました。キャリアカラーの15%と比較して、10%のイエロー系が最も自然に画面が見える濃さであると思われます。

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 青色光の減光はパソコン等の疲労だけでなく、加齢に伴う眼の健康リスクの予防にもなることで注目されています。レンズの色をあまりつけたくなくてちらつきを抑えたい方に向いたレンズと言えるでしょう。「HOYA ヴィーナスガードコート ラピス」をご希望の方は是非とも当店にご相談下さい。

IT系メガネショップ J-EYE

2011年12月23日 (金)

受験用のメガネの点検は大丈夫ですか?

 受験生にとって今は総仕上げの時期です。寒さも厳しくなり、夜遅くまでの受験勉強でご本人も大変なら、お子様を支えるご家族の皆様もさぞご苦労されておられることと思います。

 特に今回は中学受験のお子様のメガネに関して、メガネを専門的に販売する立場から少し述べてみたいと思います。

1.メガネの度数は受験用になっていますか?

 受験用のメガネで最も注意すべき点があります。受験のペーパーテストの場合は机に向かって行う作業であるのですが、直前までの塾や講習会での教室の黒板を見るための度数が合っていても、ご使用のメガネが近距離で本当にストレスの無い度数になっているかということです。
 黒板が見づらいので度を強めたメガネで近距離を見た場合に、もし近くが疲れるようでしたらやはり受験専用が必要かと思われます。左右の視力の違いがあって疲れる場合もありますので注意が必要です。

2.メガネフレームの調整は完璧ですか?

 最も多いのがこの問題です。大人用も子供用もまず90%以上の方のメガネを見ると、お顔の幅とメガネの幅が合っていません。メガネを掛けるとズレるのは、緩いだけではありません。幅が狭くてもズレます。最も良くない事例は、耳の後ろだけできつく押さえすぎていることです。お子様のメガネのサイズが小さすぎても大きすぎてもこの現象が起こります。適正なサイズのメガネで、机に向かって下をむいてもズレないメガネを選ぶことが重要です。形や色にこだわりすぎてサイズを犠牲にしないようにしましょう。

 当店では全てのお客様にメガネをお顔に合わせる前に、当店で製作したツールを使用してお顔の幅を計測してからサイズを調整して掛けていただくようにしています。

3.メガネの色やデザインにも注意しましょう!

 中学受験の多くの学校では面接があります。入学試験のときは控えめな落ち着いた色やデザインのメガネを掛けたほうが無難でしょう。特に注意することは、複数のメガネを使用している場合にはなるべく受験写真で使用したメガネをかけて受験に臨むことです。やむなくそのメガネが直前に壊れた場合には、極力似たようなデザインのメガネを購入しましょう。同じメガネを予備として購入するのも無難です。

 面接では本人だけでなく、親子面接を実施するところもあります。その場合には子供さんのみならず親御さんのメガネもあまり奇抜なものではなく、ブランド品であってもやはり控えめで品のあるデザインのものをお勧めします。

4.「曇り止め」用具の準備は絶対に必要です!

 東京など首都圏での中学受験の開始は2月初旬ですが、このころは最も気温が低下して雪もちらつく季節です。今年は例年の10倍のマイコプラズマ肺炎の罹患率がささやかれており、ほとんどの受験生は風邪対策でマスクをして受験に臨むかと思われます。電車などでは曇り止めをしていないとメガネが息で曇ってしまって本が読めません。ホッカイロや長靴だけでなく、是非ともメガネの曇り止めの準備もしてください。

 当店では、液体ムース式だけでなく便利な使い捨てタイプの曇り止めのついたレンズペーパーもご用意しています。

全ての受験生の皆様のご健闘をお祈りいたします。

IT系メガネショップ J-EYE

2011年12月 1日 (木)

健康リスクが高い「度無しパソコン用メガネ」とは

◎視度補正を確認しないパソコン用メガネは健康リスクが高い

 マスコミで度無しカラーレンズのパソコン用メガネの宣伝が盛んになってきていますが、やはりというか、正確な視力検査をせずに購入した視度補正の無いPC用カラーメガネを使用した方のご相談が増えてきています。

1.裸眼で左右の見え方が違う場合

 弱度の近視や乱視の方が視度補正を確認しないパソコン用メガネを使用して、右眼と左眼の見え方が違うばかりに頭痛や肩こりに悩まされているというものです。弱度であっても長時間のパソコン作業では目を酷使するために目が疲れます。「見づらい」ことと「見やすい」ことの差は精神的・肉体的に影響を及ぼし、仕事の効率に影響します。若い方でも遠視の状態では近くが見づらくなるので、両眼開放の近見視力表で正確な視力検査をされることをおすすめします。

2.姿勢の悪化が招く結果...

 最近若い方で近視の度数が進んでいるのに弱いメガネの状態でパソコン作業を長期間していたために姿勢が崩れ、前かがみな状態でアゴを突き出す姿勢で作業していた結果、「両手のしびれ」を経験した方のご相談が8例ほどありました。中にはマウスをクリックできなくなり、病院で治療している方もいました。老眼部分の弱めの遠近両用眼鏡を使用していた方にも同様な事例が数件ありました。
 
病院での検査で頚椎から繋がる腕に関わる神経が圧迫されたためのようです。整形外科での治療とともに、適度な視度補正による姿勢を改善しなくては根本的な問題解決にはなりません。

 視度補正無しのパソコン用メガネの選択でも同様な結果となることは容易に想像でき、健康リスクの危険性があります。姿勢の崩れを感じる方は度無しのパソコン用メガネの使用を直ちにやめるべきでしょう。


3.レーシックやコンタクト装用でも...

 遠くが良く見えても、必ずしも近くが良く見えるとは限りません。特に乱視の方で乱視用のコンタクトを使用しないで視力を強く出している場合に近方が犠牲になっている事例が多数散見できます。片眼だけ近くが見づらくても頭痛の原因になるので、パソコン作業される方はそのことを注意したいものです。
 レーシック手術された方であっても近見視力に影響する調節力は必ずしも左右同じではないので、遠見視力が左右で1.2だとしてもパソコンや手元の見え方が同じとは言い切れません。もしその場合はパソコン作業が疲れるようでしたら、度無しカラーレンズのパソコン用メガネをかけてもまったく改善されません。

4.パソコン用メガネは必ず検査してから購入しましょう !

 過去に視力測定の結果、本当に度無しのパソコン用レンズが必要なケースを扱ったこともありますが、視度補正が必要なのに測定しないで安易に度無しカラーレンズだけのパソコン用メガネを過信することは健康リスクに影響します。もしそのようなことでご相談の方がございましたら是非ご連絡下さい。

IT系メガネ専門ショップ J-EYE


 

2011年10月20日 (木)

武蔵小杉駅から4分のIT系メガネショップ

横須賀線と湘南新宿ラインの停車する武蔵小杉駅が開通して1年半が経過しました。

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 おかげさまでどこに行くにもこれまでのルートと比べて短時間でアクセス可能となり、たいへん便利になりました。逆に群馬県や埼玉県、神奈川県西部など遠方からお越しのお客様が増加しております。

 武蔵小杉駅から当店まではわずか4分という距離ですので、新南改札口を下車してすぐ左の駐輪場側の通路を通り、さらに左に曲がって隣接のNEC玉川事業場前を直進していただくだけです。

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写真の手前のガードが新幹線のガードで、奥が横須賀線のガードです。右の大きなビルがNECのルネッサンスビルN棟です。この道を直進してください。

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そのまま直進するとJR南武線・向河原駅の踏切がありますので、ここを通過して40m先に当店に到着します。

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手前が向河原整骨院さんです。

 遠くからお越しの皆様のご期待にかなう新技術を開発しておりますので、遠近両用メガネや高機能メガネ、パソコン用メガネのご相談をお待ちしております。

IT系メガネショップ J-EYE

 

2011年8月16日 (火)

画像と視覚関係の良著ご紹介

夏休みとなり、久々に書店に行って専門書をじっくり探してきました。

 インターネットでは実に多岐にわたって情報が出ていますが、専門的な深い内容をさらに調べたくても限界を感じることがあります。つまり学術系の論文に近い内容を探そうとするとサイトが会員制だったりしてハードルが高く、結局会員になって中身を見ても目的の内容とニュアンスが異なったりして不便を感じるものです。
 そんなときは所蔵数の多い書店の専門書コーナーを徘徊することがあります。大手の書店では書籍のタイトル(内容)別に整然と並べられているので関連書を片っ端から見ていきます。インターネットの検索とは異なる、偶然の本との出会いがあることも魅力です。

 今日はいくつかのカテゴリを見て回ったのですが、画像工学のコーナーを見たときに畑田豊彦先生他2名の先生が共著の「画像と視覚情報科学(コロナ社)」に引き寄せられました。内容を拝見すると、インターネットでは全て検索できなかった内容が数多く掲載されていたので思わず衝動買いしてしまいました。

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 畑田先生は視覚工学・画像工学研究の第一人者としてご高名な先生で、現在東京眼鏡専門学校の校長先生をされています。畑田先生の論文は20年前から各種学会論文で拝見しておりまして、高度先端技術の内容を非常にわかりやすく解説されておられましたので、バックナンバーのコピーを集めたこともありました。

 理工系大学の学生さんをはじめ、関連のある画像系や情報系、表示デバイス系の技術者の皆様にも是非おすすめしたい本です。

<<書籍ご紹介>>

映像情報メディア基幹技術シリーズ(映像情報メディア学会編)
タイトル 「画像と視覚情報科学」
著者   三橋哲雄、畑田豊彦、矢野澄男 共著
出版社  コロナ社
定価   5,250円
発行   2009年2月

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2011年8月 8日 (月)

オフィスの照明削減による視力と生産性の影響

政府の掲げる節電対策の影響で、大きなオフィスを抱える企業の照明までも削減されています。問題は照明の削減と視力の影響がどのように関わってくるかということです。

照明を落とされたオフィスにおける作業者の目の状態は

  1. 窓の少ない外光の入りにくい環境では、照明を落とすと目の瞳孔径が広がり、焦点深度が浅くなる。
  2. 老眼初期やレーシックで近方が見づらい場合は、暗くされると更に見づらくなったり作業能率が低下する。
  3. 通常の明室下における左右の自然瞳孔径の差は1~2mm程度といわれているが、照明が低下した状態では左右の差異が増加して眼の固有の収差量の変化も大きくなる。
  4. 弱照明環境下(薄明かり)では視力そのものが低下する。自動車の運転で最も事故が多い時間帯が夕方といわれている所以である。
  5. 書類のコントラストが落ちるため、レーザープリンタで縮小された画数の多い文字の判読がしづらくなる。
  6. 照明が低下すると瞳孔は開散するが、近くを見ると近見反応により瞳孔が小さく(縮瞳)なるので光を集めづらくなり、その結果近方の文字のコントラストが低下して応答速度(レスポンス)が低下する。

 つまり照明を落とされて良いことは1つも無く、ブラインドを開放したり調光する手段を講じなければ、オフィスの機能がかなり低下することが考えられます。この状況が続けば日本企業の生産性にとって影響が出るものと思われます。採光部分を拡大するなどオフィスの構造を見直すことにもなるでしょう。

 一般的な天井の照明だけでデスクの照明を賄うとすると大きな電力が必要ですが、例えば同じ明るさ(ルクス)の照明を天井からの半分の距離に設置すれば4倍の明るさ(明るさは距離の二乗に逆比例)になる関係から、逆説的に言えば天井から半分の距離に1/4の明るさの照明を設置すればデスクの明るさは同じになります。そうすれば消費電力を下げてもデスクの明るさは変わりません。吊り下げ式の照明器具に変更すれば作業性を維持して大幅な消費電力の削減に貢献できるでしょう。

 パソコン作業の場合は明るい画面を見て作業できるのですが、書類を見る場合には特に近用度数の適正な測定がされていないと焦点深度が浅くて使い物になりません。さらに乱視の正確な調整がされていない方の疲れは相当なものと拝察されます。

 メガネによって網膜に正確に結像させると、合焦付近の光量は最大になります。つまりピントの合ったメガネをかけると明るく感じるのはこのためです。ただし絶対光量が低下している場合は限界もあります。書類を見る場合はパソコンモニターを照明代わりにするなどの工夫も良いと思います。

 近用の正確なメガネの測定は新聞や本だけを見ているだけではわかりません。近方明視域を正確に測定し、調節力や快適範囲の分析をして初めて正確といえます。当社で開発したPasoMega®システムでは、測定データ解析をしてその場でグラフィックに表示させることができます。現在薄暗いオフィスで近くが見づらい方のご相談をお受けしておりますので、是非ともご相談下さい。
 
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